ほぼテク12月15日GPT-4を最大限に活用するための戦略その③複雑なタスクを単純化する戦略

AIChatGPT複雑なタスクを単純化する戦略

12月15日

著者裕太我妻

GPT-4は、多様なタスクを処理する能力を持つ高度な言語モデルです。
しかし、その能力を最大限に活用するには、複雑なタスクをよりシンプルなサブタスクに分割する戦略が必要です。

この記事では、そのような戦略を具体例を交えて詳細に解説します。

複雑なタスクを分割する必要性

複雑なタスクは、しばしばモデルのエラー率を高め、結果の質を低下させます。
これを防ぐために、タスクをより管理しやすいサブタスクに分解することが有効です。

具体的な戦略

意図分類の活用

【目的】
　複数の指示が必要なシナリオにおいて、ユーザーのクエリを正確に理解し、最も適切な回答を生成する。

【方法】
　ユーザーの質問や要望をカテゴリに分類し、それぞれのカテゴリに合った指示をモデルに与えます。

【実践例】
　カスタマーサポート：クエリを「請求問題」「技術サポート」「アカウント関連」などのカテゴリに分け、それぞれに合わせた対応指示を設定します。
　例えば、技術サポートに関する問い合わせがあった場合、モデルはトラブルシューティングの手順や対応策を提供します。

対話の要約とフィルタリング

【目的】
　長い対話を要するシナリオで、モデルが全体のコンテキストを維持しながら、最も関連する情報に基づいて効果的に回答を生成する。

【方法】
　以前の対話の要点を要約し、その要約を新たな入力としてモデルに提供します。または、対話から最も関連性の高い部分を選択して入力に使用します。

【実践例】
　長期にわたるカスタマーサポートの対話、顧客との過去の対話を要約し、その要約を基にして新しい問い合わせに対応します。
　これにより、モデルは最新の情報に基づいて正確なアドバイスを提供できます。

文書の段階的要約

【目的】
　長い文書やコンテンツを要約する際に、モデルのコンテキスト長の制限を克服する。

【方法】
　長文を複数のセクションに分割し、各セクションを個別に要約します。その後、それらの要約を組み合わせて全体の要約を作成します。

【実践例】
　本や長いレポートの要約：各章やセクションごとに要約を行い、それらを統合して文書全体の要約を作成します。
　これにより、モデルは一度に大量のテキストを処理する必要がなくなり、より効率的に全体を把握できます。
　サポートに関するクエリに対しては、まずユーザーにルーターのケーブル接続を確認させ、その後、特定のルーターモデルに基づいて具体的なトラブルシューティングの手順を案内します。

モデルに「考える時間を与える」

【目的】
　言語モデルによる即時回答ではなく、深い思考プロセスを通じてより正確かつ論理的な回答を得ること。

【方法】
　モデルにタスクを与えた際、即座に結論を出させるのではなく、ステップバイステップで問題を解析し、答えを導き出させる。
　このアプローチは「思考の連鎖（chain of thought）」とも呼ばれ、モデルが回答に至るまでの論理的なステップを明示します。

【実践例】
　数学問題、モデルに数学の問題を解かせる場合、まず問題を分析し、解決策を段階的に導き出させます。
　例えば、面積を計算する問題では、必要な数学的手順を一つ一つ丁寧に実行させ、最終的な答えを出す前にそれらの手順を評価します。

外部ツールの活用

【目的】
　言語モデルの限界を補完し、より幅広い情報源やデータに基づいて、信頼性の高い回答を生成する。

【方法】
　テキスト検索システム、コード実行エンジン、API呼び出し等を利用して、モデルがアクセスできる情報の範囲を拡大します。
　これにより、モデルは既存の知識に加えて、外部のデータや情報源からの入力を考慮に入れて回答を生成できます。

【実践例】
　テキスト検索、特定のトピックに関する質問に答える際、モデルはインターネット上の関連する記事や文書から情報を取得し、より正確な回答を提供できます。
　コード実行、複雑な計算やデータ分析が必要なタスクでは、モデルにPythonなどのプログラミング言語で書かれたコードを実行させ、その結果を回答に反映させます。